-ものづくりと知の結合―

西三河イノベーション・エリア構想とは

 私たちの暮らす西三河は、明治を代表する世紀の大事業「明治用水」や戦後復興の礎となった「自動車産業」など、幾多の困難を乗り越えながら新たな事業に挑戦し発展してきました。しかし、高齢化による農林水産業の担い手不足や100年に一度と言われる自動車産業の激変など、私たちの故郷・西三河は大きな転換期を迎えています。
そこで、自由民主党西三河県議団は、豊かな自然環境や国内有数の農林水産業、そして世界一のものづくり拠点が集積する西三河で、次の新たな時代を切り開き世界の都市間競争に打ち勝つためにも、新たな挑戦(チャレンジ)である「西三河イノベーション・エリア構想」を提唱します。
「西三河イノベーション・エリア構想」は、国内有数の農林水産業、そして世界一のものづくり拠点が集積する西三河の強みを活かして、次世代自動車やロボット、IT、先端技術を活用した革新的な農林水産業の研究・実証拠点などの新たな研究産業拠点を整備することで、ものづくりと知が結合したイノベーションによる世界に誇れる新技術や新産業を西三河で創出します。そして、イノベーション・エリア構想によって、生み出された財源を活かして、西三河のあらゆる課題解決に国内外の叡智を総結集し積極的な挑戦(チャレンジ)をすることで、地域資源を活かした魅力あふれる西三河を実現します。

産業

 企業のイノベーションを支援し、競争力のある新技術や新産業を西三河から創出します。

  1. 電動化・自動化・コネクテッドなど、西三河地域において世界に先駆け、自動運転及び公共交通全体のスマート化を含む「次世代モビリティ・システム」を実現する。
  2. 西三河地域の持つ産業の技術力と、世界の大学・研究機関等の連携による日本版シリコンバレーを構築する。
  3. 西三河発のスタートアップ企業を積極的に支援・育成し、世界中からヒト・モノ・金が集まる投資環境を構築する。
農林水産

 農林水産業のイノベーションを支援し、高付加価値・持続可能な農林水産業を創出します。
農業のあらゆる現場で、センサーデータとビッグデータ解析による栽培管理の最適化、AIによる熟練者のノウハウの伝承可能化、ロボット、ドローンによる無人化・省力化や規模拡大・生産性向上を進めるとともに、バリューチェーン全体をデータでつなぎ、マーケティング情報に基づく生産と出荷の最適化やコストの最小化に向けた取組を推進する。このような取組を林業・水産業へと拡大する。

インフラ

 西三河イノベーション・エリア構想を支える道路などインフラを整備します。
西三河地域への民間投資や定住を誘発するため、人・物がスムーズに移動できる交通インフラを整備・改善していきます。同時に、新交通計画の導入、公共交通機関の利用促進、都市計画の見直しなど西三河地域の連携強化を進めていきます。また、三河港、セントレア、名古屋港を衣浦港と機能的に結び移出入などの海上交通の再編を行います。さらに、イノベーションによって生まれたIoTやAIなどの革新的技術を活用したインフラや新交通システムを積極的に導入し、誰もが住みやすく持続可能な発展を続ける西三河地域を創造します。
また、既存のインフラの維持・点検にも革新的技術を積極的に導入し、コストの削減につなげます。

教育

 西三河イノベーション・エリア構想を支えるものづくり人材を育成します。
大学・高校と企業との産学連携を積極的に進め、個人の特性と時代の変化にあわせた実践的な教育とグローバル化に対応したカリキュラムを導入することで、西三河イノベーション・エリア構想を持続的に発展させるイノベーションをリードできる技術と創造性を兼ね備えたものづくり人材を育成します。
また、西三河地域の豊かな環境を活かしつつ、イノベーションによって生まれたIoTやAIなどの革新的技術を積極的に導入した教育環境を整備することで、地理的条件に制約を受けることなく、個人の能力や創造性などを伸ばし育み、新たな価値を生み出す多様性あふれるものづくり人材を育成します。

観光・スポーツ

 新技術を活用したキャッシュレス化を推進し、インバウンドの増大を目指します。
言葉の壁、決済の壁、移動手段の問題を解決するため、受け入れのインフラを整備します。
見るスポーツ、するスポーツを充実し国内需要、インバウンドを含めて一つの産業として確立します。見るスポーツでは国際大会の誘致、日本独自のスポーツと観客動員の手法を革新し外国人の個人客が簡単にチケットを入手し利用しやすい交通手段を提供することによって消費額を増大します。するスポーツではマラソン大会や自転車ツーリング、ウインタースポーツ、ゴルフ大会などを海外の顧客からも参加が可能な仕組みを確立し、リピーターを増やします。
また、伝統産業や日本独自の産業の体験型観光コンテンツを充実します。そして、これらの政策を実現するため西三河DMO設立を後押しします。

医療福祉・子育て

 新技術と新たに生み出された財源を活かして、医療福祉・子育てを支援します。
福祉の充実、子育て支援の充実は税の負担と背中合わせです。産業イノベーション構想で生み出した財源をもとに両立を図ります。IoTの技術を駆使し健康維持を目的とする産業を生み出し、福祉予算の負担を軽減します。子育てでは親子の触れ合いを従事し、通信、AIを活用した働くことと子育てがともに充実できる技術の研究と制度を充実します。

防災・安全安心

 新技術を活用し、南海トラフ地震など自然災害から命を守る防災・減災体制を推進します。
大規模地震や大型台風、ゲリラ豪雨など自然災害から県民の生命・財産を守る防災・減災体制を作ります。公共施設やインフラの耐震化、広域防災拠点の整備、ライフラインや医療資材の備蓄整備等を定める第3次あいち地震対策アクションプランの早期実現とともに、ドローンや救助ロボットなど災害対策の新技術を研究・導入し、さらなる安全・安心な県づくりを行います。交通死亡事故、侵入盗件数の全国ワースト1を返上するため、警察力の強化を行います。

  • ドローンや救助ロボットなど災害対策の新技術の研究と導入
  • 基幹的広域防災拠点の整備と緊急輸送道路の強靭化
  • 知立駅、刈谷駅、三河安城駅等交通拠点における帰宅困難者避難所の整備
  • 警察と地域コミュニティと連携強化し防犯カメラ、青色パトカー等を増加し、啓発活動を強化。
暮らし・健康

 西三河に根ざした文化・伝統の継承を支援し、地域の絆と心豊かな暮らしを実現します。
「住みたくなる」にぎやかで便利な地域づくりを目指し、観光、祭礼、町内会、福祉・子育て等ボランティアなどの地域ネットワーク作り促進。協働社会によるコミュニティ作りを推進します。健康寿命男女とも全国1位を目指し、健康づくりのためのスポーツ環境を整備します。高齢者の足となる公共交通機関の再整備をします。地域に根ざした文化、歴史の研究、伝統芸能の継承を支援し、県民一人一人がそこに暮らす『誇り』を醸成します。

  • 消防団応援制度、地元スポーツ少年団応援制度の推進
  • 高齢者、障がい者スポーツの各種西三河大会の開催など環境整備
  • コミュニティバスの自動運転化と自治体間連携の推進。
  • 鉄道の複線化による速達化など次世代交通ネットワークの再整備
  • 自治体による歴史文化基本構想策定の推進
  • 歴史文化の研究と伝承について広域連合化
環境

 西三河の豊かな自然環境を守り、新技術を活用した再生可能エネルギーの普及を推進します。
 自然を大切にし、豊かで美しい郷土・西三河を作るために自然環境の再生とスマートシティの確立を積極的に推進します。山間部の林業の再生とともに中山間部の里地里山づくり、平野部の河川、海岸地域の葦の植生、干潟、浅場、藻場づくりを積極的に行います。従来の省エネ、エネルギー技術に加え、IoT、AIによる新技術を活用し、公共施設やインフラの環境負荷低減とエネルギー需給の効率化を推進します。
衣浦港をエネルギー製造供給基地として、水素製造、バイオマス発電、メタンハイドレートなど新たなエネルギー利用の開発を行っていきます。

  • 各自治体に自然環境について学習する拠点施設を整備し、自治体間における山間部と平野部との交流を進める。
  • 三河湾の再生を目指し、河川護岸での葦の植生、海底での藻場の造成を積極的に行う。
  • 県内産木材チップによるバイオマス発電の推進とセルロースナノファイバーなど新素材の開発と製造、利用促進。
  • スマートシティ確立のため、IoT、AIによる新技術を活用し、公共施設やインフラの省エネ管理を再設定します。
  • 電気・燃料電池自動車のさらなる普及を目指し、供給ステーション整備を推進します。
  • コミュニティバスなど一般公用車に加え、公共交通機関である乗合バス、民間使用の送迎バスなども自動運転化、電気・燃料電池自動車に変えます。
  • 水門陸閘門などの環境、防災システムの自動運転化